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3.危険で健康を蝕む水道水をどうして放置するのか

 投稿者:不動明王  投稿日:2004年 1月 8日(木)22時41分41秒
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   本文中では、水道や法律の専門用語については極力わかりやすく説明することを考えて使用したつもりである。たとえば水道用語としては「大腸菌群」といわなければならないが「大腸菌」といいかえ、「残留塩素」というべきところを「塩素」といいかえた。専門的正確性もさることながら、読者にわかりやすい表現のほうが大事と思ったからである。
 また、公務員及びこれに準じる公的機関の職員については、氏名を明らかにした。これらの人たちは公僕として、国民全体の奉仕者であり、国の機関として行なった行為について責任がある。
 事件の全体像を明らかにし、書かれたことが真実であるという証明のためにも、氏名を書かざるをえなかったものである。なお厚生省は現在、厚生労働省と組織改変されたが、とおりのいい厚生省という名前のまま文中に利用した。
 私は常々、「厚生省は日本人を絶滅させる気か」と思っている。そうならないように少しでもこの本がお役にたてば幸いである。

 たとえば東京では昭和四〇(一九六五)年、淀橋浄水場の廃止を最後に、緩速ろ過方式から薬だけに頼る急速ろ過方式になった。人口の集中などで貯水池のろ過能力が追いつかなくなったのだが、貯水池を増やすなど他の方法はとらなかった。安易な方法をとったのである。都民の水ガメであった淀橋浄水場跡には、醜悪とも思える都庁や、住友三角ビル、京王プラザホテルなどが建っている。
 急速ろ過はどんなに汚い原水でもわずか五、六時間で一挙に浄水処理を行なってしまう。浮遊物やにごりなどの物理的汚れは除去できるため見た目はきれいな水に見えるが、完全な浄化とはいえない。色はある程度残ってしまうし、マンガン、アンモニア、合成洗剤の成分、カビ臭、農薬、鉛などを取り除く能力はない。さらに緩速ろ過のように、土壌細菌、水棲細菌や水棲微少動物が持っている有機物の分解作用や捕食作用もなく、水に含まれている病原菌は除去されないまま残っている。
 そこで急速ろ過では、マンガン、アンモニアなどを除去するための浄化処理に、アンモニアの11倍の塩素を投下しなければならない(前塩素処理)。そのうえ殺菌消毒のための塩素をあらためて投下することになる(後塩素処理)。二重の塩素投下がなされる理由である。
 私たちは薬品による浄化というと大腸菌や病原菌などの有害細菌が完全にいなくなるような錯覚をおこすが、水の浄化に関する限り、これは間違いなのである。水中の土壌細菌などの微生物による分解や微小動物による捕食のほうが、大腸菌や病原菌がよりよく除去できるのである。

 『急速ろ過による二次公害』
 水道水として飲める水にするために投下される塩素量は公表されないので明らかではないが、莫大な量に達していると思われる。消毒に耐えて生き残った細菌は消毒剤に対し耐性を備える。
 O−157大腸菌の出現はそのせいではないかという人もいる。
 ときどき院内感染という言葉を聞くが、これは病院内で消毒をひんぱんに行なうため、逆に消毒に対し耐性を持つ菌が出現し、消毒が効かなくなったためである。それと同じ現象が起こっているというのである。
 また、マンガンやアンモニアを取る浄水処理のためには、アンモニアの11倍以上の塩素が投下されていると書いたが、そのため二次公害として、投入されだ塩素と河川水中の汚濁物質であるフミン酸とが反応し、トリハロメタンやクロロホルムなどの発ガン性のあるハロゲン化合物を発生させ、これが私たちの飲む水道水に含まれることになる。

 『水道水の塩素量には上限がない』
 日本の水道法では、水道法施行規則により水道蛇口で0・lppm「以上」の塩素が残っていることを義務づけている。
 ところが上限の定めがない。急速ろ過方式では塩素投入が必須のため、上限を設けることができないのである。そのため、水源の水質の悪化にともない塩素量は無制限に増大している。
 ドイツ、フランス、アメリカでは0.05ppm、0.ppm、0.5ppmと上限が定められている。これらの国は薬だけに頼るろ過ではなく砂塵に棲む土壌細菌、水棲細菌や水棲微小生物などによる緩速ろ過による浄化や地下水や湧き水を水道原水として採用しているから、塩素の上限を定めることが可能なのである。
 現在水道関係者に聞くと水道水の消毒のために浄水場で投下されている塩素が、水道管を経て各家庭の蛇口に到達した段階で残留する塩素量は0.5ないし1ppmという。
 しかし現実には水道蛇口の塩素量はこんなものではない。東京部水道局の平成一四(二〇〇二)年二月の水道ニュースによれば、前年一一月の朝霞浄水場から出た水を上野で採水した結果が出ている。これによると蛇口段階の塩素量は0.6ppmと記載している。一一月で0・6ppmならば、夏場の高温で、大腸菌などの細菌の繁殖しやすい時期はlppm以上は入っているであろうと推測できる。
 

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